[お知らせ] 2018年9月29日 会場からいただいたご質問に対する回答

 当日はたくさんのご意見、ご感想、ご質問をいただき、大変ありがとうございました。大変遅くなりましたが、ご質問の回答を掲載しましたので、ご参照ください。回答の末尾には根拠となった情報元を記載してありますので、より詳しい情報を知りたい方は、そちらをご参照ください。なお、個人的な問題に関するもの、現時点では明確な回答ができないものなど一部割愛させていただいておりますので、ご了承ください。

2018.12.6 ピンクリボンふじさわ実行委員会

 

乳がん全般に関すること

Q:健康な身体であればがんは関係ありませんか?

A:喫煙などをはじめ、がんの発症要因として分かっていることが、いくつかあります。これらを避けること(健康的な生活を送ること)でリスクを下げることができますが、それでも100%防ぐことはできません。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:大豆製品がよいと言われていますが、納豆や豆腐、豆乳も良いということでしょうか?また、取り過ぎはよくないですか?

A:大豆イソフラボンを摂取することにより乳がんのリスクを下げる可能性があると言われています。納豆や豆腐、豆乳も大豆製品ですので大豆イソフラボンを含んでいます。また、サプリメントによる過剰摂取がリスクを上げるという証明はありませんが、安全性が確立されておらず、食事からの摂取が推奨されています。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

Q:男性乳がんの発症率や治療など女性と違うところはありますか?

A:乳がん患者さんの約150人に1人が男性と比較的まれです。男性乳がんの患者さんの15~20%に乳がんの家族歴があります。検査や治療、予後などは基本的に女性の乳がんと同じです。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

Q:アルコールは多量でなければ問題ないとのことですが、アルコールに弱い人は少量でもリスクは高くなりますか。

A:アルコールの摂取量が増えればリスクが高くなる事は確実とされていますが、そのメカニズムははっきりしていません。ただし、ある種のがんではアルコールに強い人と弱い人が同じ量を飲めば、弱い人の方がリスクは高くなるという報告もあるようです。いずれにしても飲みすぎないようにすることが大切です。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

Q:乳がんは他のがんに比べてできやすいですか?

A:生涯でがんに罹患する確率は2人に1人です(男性、女性とも)。がんの種類別に罹患する確率を見ると、女性の場合、胃がん19人に1人、大腸がん13人に1人、すい臓がん42人に1人、肺がん22人に1人、子宮がん33人に1人、白血病150人に1人などに対して乳がんは11人に1人なので、比較的罹患しやすい方と言えます。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:乳がんにかかる最低年齢、最高年齢は何歳ですか? 60歳、がんのリスクは高いのでしょうか?

A:10歳代での発症報告はありますが、極めて稀です。20歳代から徐々に増加し、40~60歳代で罹患率が最も高くなります。高齢者でも乳がんの発症はみられ、90歳以上での治療例などが報告されています。

(乳がん AstraZeneca ほか)

治療に関すること

Q:乳がんになってしまった場合の費用(治療代)はどのくらいでしょうか。がんと分かってから保険に入るのでは遅いのでしょうか。

A:乳がんの治療は手術や放射線療法といった局所療法とホルモン剤や抗がん剤などの薬を使った全身療法があります。一人ひとりの病状に応じてこれらを組み合わせて治療を行いますので、事前にどの様な治療をおこなっていくのか医師に確認すれば、おおまかな治療費を把握することができます。詳しくは「日本乳癌学会」のホームページにある「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」で紹介されていますので、参照してください。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

  また、がんになってから加入できる保険もあるようですが、様々なデメリットもあるので、条件や補償内容などについて事前に保険会社に問い合わせてください。

(ほけんROOM がん保険)

Q:薬は副作用があるのですが、副作用のない薬はできないのですか。抗がん剤はなぜ副作用が強いのでしょうか。

A:薬には目的とする作用以外にも作用が複数あるものがあったり、また、目的(病変)以外のところ(臓器)にも作用することがあったりするため、主作用以外の副作用(副反応)が出ることがあります。開発時点で副作用が軽く、少ない薬をつくっていますが、一人ひとりの体質が異なっていたりするため、副作用をゼロにすることはなかなか難しいようです。

  抗がん剤の多くは増殖の盛んな細胞を攻撃するため、正常でも増殖が盛んな消化管や毛髪の細胞、血液をつくる骨髄の細胞などが攻撃されて、吐き気や脱毛、白血球減少などの副作用がおきるのです。現在では副作用を緩和する薬も多く開発されています。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

検診・検査に関すること

Q:乳房の小さい人は大きい人よりマンモグラフィの痛みが強いでしょうか。また、小さい方が自己検診でわかりにくいのではないのでしょうか。

A:痛みの感じ方は人それぞれであり、マンモグラフィの圧迫による痛みは乳房の大小に関係はないと言われています。乳房の張りが少ない月経後に検査することをお勧めします。  

自己触診に関しても個人差がありますが、大きい方がわかりにくい傾向にあります。変化を感じたら医療機関を受診しましょう。また、自己触診で異常がなくても定期的な検診を受けるようにしてください。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドラインなど)

Q:検診は年1回で良いのでしょうか?マンモグラフィだけで良いのですか?

A:日本では40歳以上の女性に対してマンモグラフィを含む2年に1回の検診が推奨されています。40歳代の女性で超音波をマンモグラフィと併用するとマンモグラフィ単独より多くの乳がんがみつけられることがわかってきています。しかし,超音波検査はマンモグラフィに比べると,治療の必要のない良性の変化を拾い上げすぎる欠点があるという研究結果もあり,本当に超音波検診が乳がん死亡率低下に有効かどうかについては今後もう少し検討が必要とされています。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

Q:自己触診は毎日が良いのか、毎月で良いのか?

A:閉経前の方は月経後の1週間以内の乳房が柔らかい時期に、閉経後の方は月に1日、一定の日を決めておこないましょう。自己検診の方法は下記ホームページやYouTube(乳がんのセルフチェック・自己触診の方法 【ワコールピンクリボン活動】https://www.youtube.com/watch?v=UXjoN9bOzhA)などでご覧になれます。

(ピンクリボンかながわ、乳がん AstraZeneca)

Q:超音波で嚢胞があると言われました。癌化する心配はありますか?

A:超音波検査で典型的な単純性嚢胞であれば癌化することはないので、心配ありません。しかし、嚢胞内に充実成分を伴っている場合は他の疾患(乳頭腫や癌など)の可能性もあるので、生検などの精密検査が必要な場合もあります。

(nyugan.info 乳癌診療Tips & Traps)

Q:授乳時期の検診は可能でしょうか?母乳への影響はありますか?

A:授乳時期の検診も可能ですが、乳腺が発達しているため、マンモグラフィより超音波検査が向いている場合が多いです。いずれの検査も母乳への影響はありません。また、妊娠中でも気になることがあれば、早めに超音波検査を受けることをお勧めします。

(ワコールピンクリボン活動)

Q:超音波を受けていればマンモグラフィを受けなくても良いですか?

A:対策型検診(集団検診)として死亡率減少効果があると証明されているのは現時点ではマンモグラフィ検診のみです。確かに超音波検査は放射線被曝もなく、マンモグラフィと併用するとマンモグラフィ単独より多くの乳がんが見つけられることがわかっています。しかし、微細な石灰化を捉えるのはマンモグラフィの方が優れており、超音波検査は治療の必要のない良性の変化を拾い上げすぎるという欠点もあります。超音波検査だけでなく、マンモグラフィと交互に受けるなど工夫すると良いでしょう。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン)

Q:検診で発見できないこともあるのですか?

A:がん検診で発見できないこと(偽陰性)は乳がん検診だけでなく、他のがん検診でも少ないながらあることです。逆にがんがなくても精密検査が必要となること(偽陽性)も必ずあり、どちらとも出来るだけ少なくなるような検査が良い検診なのですが、今のところゼロにはならないのが現状です。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:検診を受けたことがない人に受けてもらえるようにするために、効果的な伝え方を教えてください。

A:がんの検診には必ず利益と不利益があります。最大の利益は早期発見により死亡率が減少することです(個人的にはがんの死亡リスクが減少することです)。一方、不利益には偽陰性(がんがあっても見逃される)、偽陽性(がんがなくても要精査になる)、過剰診断(生命予後には関与しないがんが発見されること)などがあります。これらの点を理解していただいたうえで、検診を受けていただくのが好ましいと言えます。利益が不利益を上回ると判断された年齢の方に、対策型検診(集団検診)は行われています。利益ばかり強調したりしないで、これらの点を十分に理解していただけるようお伝えすることが重要かと思われます。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:骨転移はどうやってみつけるのでしょうか?

A:骨への転移を調べる検査は、骨シンチグラフィ(放射線を発生する人体に害のほとんどない薬品を注射して写真をとる検査です)が主なものですが、単純撮影(通常のX線撮影)やPET-CT、CT、MRIなどが適応されることもあります。

(ピンクリボンふじさわ実行委員会)

Q:術前のKi67値が術後低下しました。どうしてでしょうか?

A:Ki67とはがん細胞の増殖能を評価する指標の一つで、採取した組織や手術標本を特殊な染色をして調べます。がん細胞の分布は必ずしも均一ではなく、増殖能の高い細胞やそうでない細胞が混在しています。従って、調べる部位によってKi67の値に多少のばらつきがみられるため、手術前の生検でとられた小さな組織で調べた値と手術標本で調べた値が異なることがあるようです。

(日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン、ピンクリボンふじさわ実行委員会)

その他

Q:家族の女性のために男性が出来ることを教えてください。

A:乳がんの発症リスクとなるようなことを減らすよう協力することや検診に行きやすい環境を整えて、互いに声かけすることなどが大切かと考えます。

(ピンクリボンふじさわ実行委員会)

Q:がんと診断された方から直接伝えられた場合、どのような言葉をかけたり行動をしたりしたらよいのでしょうか。

A:がんという病気について正しく理解し、間違った知識によって患者さんやご家族が傷つくことのないように配慮することが必要です。また、患者さんやご家族の価値観を尊重し、できるだけ今までと同じように接することを望まれる方が多いようです。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:がんと診断されてから治療に至るまで、治療後など周囲のひとはどの様なサポートができますか?また、してはいけないことはありますか?

A:患者さんやご家族から相談を受けた場合は、相手の話に耳を傾けるように心がけましょう。相手の気持ちを尊重し、気持ちが整理できるようお手伝いすることが大切と思われます。

(国立がん研究センター がん情報サービス)

Q:治療後、温泉に行くときに下着やタオルのことを教えてください。

A:現在では温泉用の入浴着など術後の下着には、様々な商品があるようです。また、「ピンクリボンのお宿ネットワーク」では入浴着が用意されているなど術後の方にもやさしい温泉宿を紹介しています。

(日本乳癌学会 患者さんのための乳癌診療ガイドライン、

ピンクリボンのお宿ネットワーク)

ピンクリボンふじさわ/ NPO法人あいおぷらす オフィシャルウェブサイト

神奈川県藤沢市で発足したピンクリボンふじさわ/あいおぷらすのオフィシャルウェブサイトです。

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